今日は、毎日お世話になっている衣服の素材、綿などの繊維について改めて
お勉強しましょう。
綿の特徴のついて
綿繊維は種子の表皮細胞が成長したもので、天然繊維の中でも非常に
古くて(約5000年前)から古代インドや南米ペルーで栽培されて利用
されてきた繊維です。
なお、一般的に広く利用されるようになったのは産業革命以降
(18世紀後半)であると言われています。
日本には15世紀中頃に入ってきたと言われています。
古くから衣料に使用されており、現在でも我々の生活には欠かせない繊維
です。
肌アタリが良く、吸湿性に富み、人間とは大変相性の良い繊維といえます。
綿は、葵(アオイ)科の植物で、ハイビスカスやオクラと同じ科に
属します。
花が落下した後「子房」という部分がはじけて「わた(コットンボール)」
が表れます。
このうち長い繊維だけを紡いで綿糸にします。
この綿のように植物を原料とする麻、レーヨン、キュプラ、リヨセルなどの
ような繊維を「セルロース系繊維」(植物を作る分子)と言います。
繊維を顕微鏡で見ると扁平で、リボンがよじれたような形をしています。
断面は中空(空洞=ルーメンがある)で、マカロニが潰れたような形を
しており、吸湿性、染色性が良い事に繋がっています。
産地(品種)により繊維の長さが違いますが、長い物ほど、高級綿糸と
なり、代表的なものに「海島綿(シーアイランドコットン)」や
「エジブト綿」「トルファン綿」などが有ります。
海島綿(シーアイランドコットン)について
英国王室には、「綿製品はシーアイランドコットンで」というしきたりが
ありました。
これは、16世紀後半に英国が西インド諸島を領有したとき、王室に
シーアイランドコットンが献上されたことに端を発します。
その後、このコットンは、英国王室や貴族たちを魅了し、英国紳士たちの間
で、ステイタスシンボルとして愛され続けてきました。
世界のいずれの気候風土のもとでも育たず、カリブ海だけに生きることを
許されたこの綿は、長い間、英国が栽培から船積みまでを厳しく管理し、
糸の紡出も英国の名門2、3社に独占されていたということ。
まさに門外不出のかたちで、その高品質が守られてきたのです。

「天はニ物を与えず」のいわれどおり、しなやかで美しいシーアイランド
コットンは、虫害に弱いなど大変デリケートな性質をもつため育ちにくく、
1エーカー当 たりの収穫量も米綿の50%程度。
このため大量の栽培は難しく、年間の生産量は50万ポンド
(約1.000俵)、綿全体の10万分の1という希少価値の高い素材です。
天然の風合いと優れた特製を最大限に生かすため、長い時間をかけて
じっくりと育成され、極力機械工程を減らし、摘み取りも人の手でひとつ
ひと つ丹念に行われます。

カシミヤのような肌触り、絹のような光沢。
「着るほどによさがわかる」と愛用人に言わしめた、このコットンの
最大の特徴は、圧倒的に長く細い繊維にあります。
繊維は長ければ長いほど、細ければ細いほど、しなやかな風合いと強さを
生みだします。
また、シーアイランドコットンは、天然の撚りも綿の中でもっとも 多く、
どんな綿よりふっくらした柔らかな味わいをみせ、抜群の吸湿性を発揮
します。
さらに絹のような光沢は、他綿に比べ50%も高い光の反射度ゆえ。
とて も綿とは思えない光沢が優雅な表情を生みだすのです。
エジプト綿とはエジプトはナイル側近隣の肥沃な土壌で採れる繊維の長い
綿(超長綿)のことを指します。
世界で1年間に生産される綿約7600万トンのうち約30万トンと、
0.4%しか生産量の無いとても貴重な綿種です。
超長綿(ちょうちょうめん)とはその字の通り、繊維の長さが非常に
長い綿のことを呼びます。
「短繊維綿」(平均繊維長21mm以下)、
「中繊維綿」(平均28mmまで)、
「長繊維綿」(平均28mm以上)と分類 されているのですが、
長繊維綿の中でも繊維長が平均35mm以上のものを超長綿と呼びます。
その中でもさらに上質な綿が世界三大綿(せかいさんだいめん)とされ、
スーピマ綿・新疆綿(しんきょうめん)・エジプト綿(ギザ)の3つが
あげられます。
生産する地域の土壌や生産方法によって、品質の差がついているんですね。
現在生産されている綿の中では
シーアイランドコットン(日本では海島綿と呼ばれる)を頂点に
エジプト綿
スーピマ綿
新疆綿
と続きます。
シーアイランドコットンだけは別格で、その希少性故と素材流通の特殊さ
故に、市場ではあまり頻繁にはお目にかかれません。
エジプト綿は、高品質な綿で、その丈夫さや発色の良さはもちろん、
適度な油脂分を含んでいるため、なめらかでシルクの用なツヤがあり
カシミアにも劣らない風合いを持ちます。
スーピマコットン
綿は、綿花の繊維の長さによって、品質が分類されます。
超長綿とは、綿花の繊維の長さが一番長い高品質の綿のことです。
その中でも、スーピマコットンは、繊維の長さが、35mm~40mm以上と
限定されているのです。
米国西部の高気温で乾いた土地が、超長綿繊維の高級綿を生み出します。
スーピマが、カリフォルニア州、アリゾナ州、テキサス州、
ニューメキシコ州で栽培されるピーマコットンに限定されている理由です。
スーピマコットンの特徴は、次の通りです。
- しなやかさ、やわらかさ、滑らかさ
- 綿の強さ
- 色の美しさ
- 希少性
新疆綿(トルファン綿)
世界で最も「毛足」が長い綿です。
この綿は、世界最高峰といわれる中国新彊(シンキョウ)地方、天山山脈の

毛足が長いので、「長繊維」のようなシルキーな出来上がりとなります。
アラ還の独り言
コットンの花を初めて見たのは、私が17歳の高校3年生の時で、アメリカの
南部のアトランタでした。
友達から貰った茶色いつぼみが付いた花でした。
なんと見たら綿が中から出てきてるじゃないですか!
「なんじゃ、これ?」でしたよ(笑)
まさか、綿が咲くなんて発想全く無かったというか無知そのものでした
ので~笑
アメリカの南部は「風と共に去りぬ」での映像が浮かびますが、
奴隷で有った黒人が綿を栽培させられていたのですよね。
そんな歴史も全く知らなかったのですが、単純にその花を見て私は感動した
事を今日のブログを書きながら思い出しました。
そんな大昔の思い出の可愛い白いコットンが私は好きです。
今日に出逢った皆さんに感謝です。そして、私にも、ありがとう。
TO BE CONTINUED・・・
続く・・・